2022-09-01
毎日のように利用しているスマートフォンからも、何気なく時間を眺めるスマートウォッチからも、仕事で利用する検索エンジンからも、息抜きに眺める動画配信サービスからも、私たちの生活では数多く思考や行動がデータとして収集されています。
その結果、生活は日々便利になり、その流れは今後ますます加速していくと考えられています。
そのような輝かしい未来に欠かせないのが、集まった膨大なデータを分析し、そのデータから価値ある情報を見つけ出し、その価値を実際に形にする人。
即ち、データサイエンティストと呼ばれる仕事をする人たちです。
本記事では、今後の先端社会で求められるデータサイエンティストの仕事内容や、気になる年収の情報に加えて、データサイエンティストに求められる素養を解説していきます。
「これからの社会をけん引していく重要度と需要の高い仕事についてみたい」
「データ分析に興味があるが、いまいちどんな仕事をするのかよくわかっていない」
「まったくデータ分析の経験はないけれど、自分にデータサイエンティストを目指すことが出来るのか知りたい」
そんな想いを持つ方におススメの記事となっています。
それでは早速ご覧ください。
1.
データサイエンティストとは
2.
高まるデータサイエンティストの需要
3.
データサイエンティストの気になる年収
4.
データサイエンティストに求められる素養
5.
まとめ
データサイエンティストとは、私たちの生活や仕事の中で集まった膨大なビッグデータ等から、世の中の目的や企業の目的を叶えるために必要な情報を収集、抽出するプロフェッショナルです。
情報通信技術の発展により、大量のデータを送信、処理できるインフラが整ったことで、Googleなどを筆頭に膨大なデータを保管することが出来るようになりました。その膨大なデータから実用的な分析情報を引き出すために、データサイエンティストが様々なスキルを組み合わせて分析を行っています。
いわば、大量に集められた宝石の原石を宝石に加工することのできる技術を持つ専門家といったイメージです。
ただ、宝石とはそれを欲しがる人が多くいるからこそ、大きな価値を持ちます。
全人類に宝石が行きわたっていたとしたら、いくら原石を宝石に加工できる専門家とはいえそこまで求められはしないでしょう。
言い換えれば、世の中的にデータから生み出される情報に価値があるからこそ、データサイエンティストという職業に需要があると言えます。
ビッグデータという言葉が当たり前のようにニュースに流れるようになると同時に、そのビッグデータを活用できるデータサイエンティストという職業もどうやら需要が高まっているらしい。
そういった認識の人は少なくありませんが、どうしてデータサイエンティストという仕事には需要があるのでしょうか。
テクノロジーの発展にしたがって、コンピュータに効率的に学習を積ませることのできるディープラーニング(DeepLearning)の技術が登場して以来、世界的にAI開発競争は激化していますが、肝心のディープラーニングの精度を上げるためには教材となるビッグデータが必要になります。
どのようにして、効率的にデータを収集するか、そして収集したデータをAIが学習するのに最適な形にアウトプットできるかがAI開発の鍵を握ると言っても過言ではないほどです。
その為、世界的に需要が高まるAI技術の発展に必要なデータを収集し、AIに学習させていくためにもビッグデータの取扱いに長け、なおかつAI開発に携わることのできるデータサイエンティストの需要が高まっています。
また、現代のビジネスは、消費者の趣味嗜好動向が多様化したことで、表面的かつ一面的なデータ分析をするだけでは十分な価値ある情報を得ることが出来なくなってきています。
風が吹けば桶屋が儲かる。なんて言葉を例に説明すると、一面的なデータの分析方法だと
「風が吹くことで砂埃が舞い上がり、砂が目に入る人が増える」
というところまでは予測が出来そうなものです。
ところが
「砂が目に入ったことで、失明する人の割合が増え、生計を立てるために三味線弾きで生計を立てる人が増えるため、三味線が売れる」
となると、少々予測が難しくなってくる印象があります。ちなみにこちらを価値ある情報として扱うためには、天候のデータと、町民の健康上に関するデータと、三味線の売れ行きなどのデータを集め分析する必要があります。
その上で
「三味線を作るためには猫の皮が必要となるため、猫が多く捕らえられ、その結果ねずみが増える。そうして増えたねずみによって桶がかじられて、桶屋が儲かる」
とういう推論を立てていくためにはもはや一面的なものの考え方ではたどり着けそうにありません。
こうした推論を、導き出すためには気象データや町民の健康データ、猫やねずみの生息数のデータや桶屋や三味線の売れ行きデータなどから、風が吹けば桶屋が儲かるという一連の流れの確からしさを導き出さなければならず、もはやそれ相応の専門知識が必要になってくるのも納得です。
このように、多様化する需要やニーズに対応するためには一見無秩序とも思える膨大なデータの中から傾向を明らかにする機械学習や統計的な分析手法が必要不可欠となり、したがってそれを扱えるデータサイエンティストの需要が高まっていくというわけです。
それでは、そのように世界的に需要が高まるデータサイエンティストの仕事内容はどのようになっているのでしょうか。まずは、データサイエンスに関わる仕事にどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
まずは、データサイエンスに関わる主な職種を3つご紹介します。
仕事の領域の違いからデータサイエンティストという仕事の大枠が見えてくるかと思います。
まずは、WEBやデジタルデバイス等から日々膨大な消費者市場のデータや、企業の内部にある様々なデータが集められます。これがいわゆるビッグデータになりますが、このビッグデータから価値ある情報を見つけ出し、企業の活度に活かしていくことになるのですが、集まったビッグデータを分析する際に、全てのデータが分析可能な状態のデータとは限りません。
データの形式が異なっていたり、一部破損していたり、そもそもどこに保管されているかわからなかったりと、分析を進める準備すらできていないなんてことも多々あります。
このように、そのままでは利用できない生の状態のデータを活用可能な形に処理し、データ分析の為の基礎を構築する仕事をデータエンジニアが担っています。
そうして、データエンジニアによって分析可能な状態に処理されたデータをデータアナリストやデータサイエンティストが、分析をしていきます。
分析するにあたって、データアナリストは多種多様なデータ分析モデルを用いて、集計分析し、経営やマーケティング、セールスなどの事業促進に必要な価値ある情報提供をするのに対して、データサイエンティストは、統計学や数学の知識を背景に、機械学習・AI等の分析モデルやアルゴリズムを構築し、時に企画開発部とコミュニケーションを取りながらサービスを実現させていく支援をすることが主な仕事内容となります。
ざっくりと概要で理解すると、データサイエンティストや、データアナリストが仕事を出来る環境を作ることがデータエンジニアの仕事で、データアナリストはビッグデータから価値ある情報を見つけ出し、提供することが仕事となり、データサイエンティストは価値ある情報をサービスまで落とし込むことが主な仕事となります。
より具体的に説明していくと下記のようになります。
ビッグデータから得られる情報を活かして、企業や消費者の課題を解決することがデータサイエンティストの仕事である以上、解決する課題を明確にすることが一番初めの仕事となります。そしてどの課題を解決するためにはどのようなデータが必要かを検討していきます。
データの収集と分析は、一部データエンジニアの仕事の重なりますが、場合によってはデータがどこに、どのように存在しているかが明確でない場合があるため、データの収集、格納に貸してまで設計を行う場合があります。
主にデータの下準備を行うことです。データには破損や不適切なデータが含まれることもあるため、明らかな以上データを削除したり、空欄となっているデータを適切に処理することで分析の制度を向上させます
収集したデータ群の中から、問題改善につながる「意味のある情報」を見つけ出す作業です。課題解決の為にクライアントの要望との関連付けができる知識や経験も求められます。
分析の結果わかったことをビジネスとしてどのように活かしていくことが出来るのかを検討します。結果を単純に伝えるだけではなく、どのように問題を解決するのかの方向性を提案することも求められます。
ビッグデータから分析した結果を基に、クライアントの課題解決を行います。集計や現状分析が中心となるデータアナリストではここまでの業務が求められない場合もあり、より業務の幅が広く実務的な内容となります。
単にデータを分析するだけではなく、データを用いて課題を解決するサポートするところまでを業務範囲とするデータサイエンティストですが、専門性も高く、需要も高いとなると、年収も気になるところです。
データサイエンティストの仕事の平均年収は約695万円。月収で換算すると58万円となります。日本の平均年収が約443万円となりますので、平均年収と比較しても高い割合となっております。
全体の給与幅としては417万円~1240万円と比較的広いことからも、仕事内容によってはデータエンジニアとしての仕事がメインとなる場合や、課題解決までを求められないケースなど企業によって業務内容が定まっていないことが予想されます。
また、データサイエンティストの仕事は得られるビッグデータに比例して増えることが想定されますので、膨大なデータが集まる大企業や積極的にビッグデータの活用を進める外資系の企業などでは、更なる高年収が見込めると想定できます。
これからの企業や消費者市場の課題解決の最先端を突き進む、データサイエンティストを目指そうと持った場合、どのような素養が必要になるのでしょうか。
データサイエンティストとして将来的に活躍しようと思った場合、次のようなスキルや知識が求められます。
データサイエンティストとして働く場合、ビッグデータの知識は重要となります。ただビッグデータを分析するだけではなく、どのような場所から、どのようなデータを収集する必要があるか、まで考える必要があります。
クライアントのデータを多角的に分析するためには、情報処理や統計学などの専門知識が必要です。分析をして終わりではなく、課題解決の提案までが求められるデータサイエンティストの場合、統計分析の内容をビジネスに応用するスキルも求められます。
分析した結果から課題を解決する提案を実際に実行し、結果を遺すために必要になるスキルです。その為にはデータ分析の知識だけではなく、クライアントに関連する業界知識や傾向までも理解している必要があります。
データベース構築の技術者やクライアントといった多くの人と関わるこの職種には、プロジェクト全体を管理するマネジメント能力も求められます。予算やスケジュールの範囲内で結果を出すためには、関係者との調整が重要となります。
クライアントの課題のヒアリングから仕事が始まるデータサイエンティストには、話す力と聞く力の両方が必要になります。特に、プロジェクトの佳境では、説明やビジネス提案といった伝えるという作業が中心となります。関わる人間が多いこともあり、円滑に仕事を進めるためにはコミュニケーション能力は必須となります。
いかがでしたでしょうか。
情報が多く集まり、集まった情報を活かしAIを用いてより大きな価値を生み出そうという気概が高まっている昨今のビジネス市場において、データサイエンティストという仕事がいかに需要があるかを理解できたのではないでしょうか。
その中で、データをただ分析するだけではなく、適切な課題解決の方法を導き出し、様々な部署と協業しながら課題の解決までを支援するレベルの高い仕事内容になりますので、業界水準としても高い年収となることにも納得いただけたかと思います。
それだけ需要の高い仕事になりますので、求められる能力も多岐に渡り、データ分析に関する専門知識や、業界に対しての理解、そしてコミュニケーション能力と汎用性の高い物から専門性の高いものまで様々です。
一見難易度が高いように見えますが、データ分析の専門知識以外に関しては、課題解決の現場にいる方にとっては同じく必須のスキルとなりますので、意外にも手が届きそうという方は多いのではないでしょうか。
これからの企業の未来を確かなデータを基に作りあげていきたいという方はチャレンジしてみても良いかもしれません。
それではここまでお読みいただきありがとうございました。
次回の記事でまたお会いしましょう!